Homme de c(h)œur 浜田広志のブログ

1984年生まれ 合唱指揮者・声楽家 浜田広志のブログです。お仕事の御用命・ご連絡はfetesgalantes0808@gmail.comまで。

Inedia Prodigiosa初演

日本での活動の告知をしなきゃ!と思い2018年夏に開設したもののずっと更新しておらず、誰もいない抜け殻のようになってしまっていた浜田広志ブログでしたが、3月にまた帰国する際の告知しなきゃね、→ブログがあった、。→あれから全然何も書いてない、、、。ということで近況を書かねばただの告知ツールのために開設したことがばれてしまう!と思い実に開設から半年ぶりの更新をしようとしている浜田です。

ブログの書き方がわからないので普段のfacebookと同じ文体でいってみようと思います。僕のことを検索してこちらのページにいらっしゃった方、読みにくくてすみません。

9月からというもの、イタリアの作曲家Lucia Ronchetti氏の作曲によるInedia Prodigiosa(奇跡的飢餓)という合唱オペラの準備に毎週土曜日が充てられていました。中世から現代に至る、食物や水を絶つことによって彼岸の存在へと近づこうとする女性たちについて書かれたテクストをもとにした作品。Philharmonie de Paris(パリ管弦楽団が本拠地にしてるパリ北東部にあるホールです)の主催による、Weekend Berio(べリオの週末)の一環として企画された演奏会で、今回がフランス初演だったのだそうです。こちらがその演奏会評。

 

www.resmusica.com

 

べリオという作曲家には縁があるらしく。合唱指揮科一年目で僕にいきなり与えられた課題はべリオのCries of Londonで、全力で譜読みしてふらふらで学校に行ったらでメールで休講の連絡が来たり、次の週の授業にその腹いせですごく細かく練習をして合唱指揮科のみんなと先生を苦しめたり、そういった思い出がパリ郊外オーベルヴィリエの暗い空のイメージとともに目の前をよぎります。

Lucia Ronchettiさんはかつてべリオのもとで作曲を学ばれた方で、今回演奏されたInedia Prodigiosaは混声合唱団と女声合唱団、少女合唱団(そういう単語があるのか知らないけど)のために書かれた作品。混声合唱団の歌うフレーズは時にバロックや中世音楽を模したものであったり、ヴェルディのパロディーであったり、無調の複雑なものであったりするのですが、そこに女声合唱団と少女合唱団の歌う独立したフレーズが重ねられて非常に立体的な音響を作り出す、そんな音楽です。

僕は女声合唱の指導と指揮を担当していました。今回が合唱で歌うのが初めてという方も多く、みんなでなかなか苦戦したリハーサルもありました(リズムが記譜されていない箇所がかなりあるので、一拍目はこの言葉、2拍目はこの言葉という風にあてはめていく練習にかなり長い時間を費やしました)。ですが本番は素晴らしい歌唱を聞かせてくれて、当初この作品が本当に演奏できるんだろうか、と少し不安になっていた自分が恥ずかしい。フォアグラとかそういう凝った缶詰の詰まったギフトパックを頂きまして、重すぎて帰宅が困難でした。

 

写真はモニターがないので背後にいる本指揮の師匠とコンタクトをとるためがっつり振り向いている僕。photo:Bruno Levy

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